Gallery -睦月-《酉年の年賀状》

 

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「山高帽の男」ルネ・マグリット /シモン・ウィザーズ・スワン蔵

 

 

「酉年の年賀状」

あけましておめでとうございます。

酉年がやってきました。

干支は鳥の出番です。

“羊の画家”と呼ばれる私ですが、鳥を描いた絵も何点かあります。

しかしそれを紹介するのは又の機会にして、
今回は趣向を変えて、
私の年賀状デザインを皆さんに見てもらおうと思います。

というのも今年のデザインが気に入っているからです。

毎年11月になると私の年賀状デザインがスタートします。

デザインの条件は、
干支の動物を何らかの形で入れること、
ひねりが利いたアイディアであること、
私と家内の姿を何らかの形で入れることの三つです。

この中で何と言っても難しいのが二つ目の条件で、
11月はこれでずいぶん頭を悩ますことになるのです。
この作業を私はなんと40年以上も飽きずにやっているのです。

今回はアイディアがなかなか決まらず、
一応一、二個考えたものの「これで行こう!」とはならずに、
結局昨年の11月下旬の大学の集中講義『野外写生』の地、
犬島にまで作業を持ち込むことになりました。

幸い犬島の宿舎では、
夜の時間に作業を集中的に行うことができたので、
納得のいく案ができました。

アイディアのきっかけは、
鳥から鳩を思い浮かべ、
鳩から鳩サブレが出たことで、
芋ずる式にひよ子も出てきました。

この二つの銘菓をどう生かすかを考えた時に、
マグリットの《山高帽の男》という絵が浮かんだのです。

その作品では山高帽の男の顔の前に鳩が飛んだ状態で静止しています。
私はその鳩を銘菓に置き換えたわけです。
マグリットの不可解で不条理な構図にいたずらを仕掛けるのは実に愉快です。
特にダメ押し的にひよ子を登場させたアイディアが、
自分では気に入っています。
また鳩サブレとひよ子の質感には特にこだわりました。
なぜならどちらも好きだからです(笑)。
できれば皆さんのこのデザインに対する反応を聞かせてください。

泉谷 淑夫

 


 

 

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